お問い合わせはこちら 026-248-1626 受付時間:9:00~17:00(土日祝休み) FAX : 026-251-2160

HwangとGermanの解析結果と実測値との比較|セラミックス技術コラム

セラミックス技術コラム

HwangとGermanの解析結果と実測値との比較

Hwangは球形銅粒子の配列体について、実測値とコンピューターシミュレーションの結果とを比較した。
計算に用いた銅の物質定数をTable. 1に示す。
実測値としては、ネック成長、表面積の減少および収縮の三つの測定データを用いている。



ネック成長については、球体模型および球粒子の一列縦列模型に対するそれぞれKingery-BergおよびWilson-Shewmonのデータ、球形銅粉集合体に対するBuist-CeramおよびNyce-Shaferのデータを用いている。
これらすべての実験は等温条件で行われたことになっているが、Hwangは焼結温度への昇温中でのネック成長も考慮している。
試料が急速に加熱昇温されているKingery-Bergの実験に対しては、昇温速度を5000 ℃ / minと仮定した。
その他の実験に対しては200 ℃ / minの昇温速度を仮定した。
四つのシリーズの実験について比較した結果をFig.2,3,4および5に示す。
NyceとShaferの115 μm直径のデータを除けば、計算値は実測値とよく一致している。
Hwangによれば、115 μm直径の粒子についてのNyceとShaferのデータは、Kingery-BergおよびWilson-Shewmonの実測と比較した場合、粒径が大きくかつ焼結温度が低いにもかかわらず、ネックサイズは大きくなっているという矛盾を含んでいる。
 









NyceとShaferは、銅粉を焼結したときの比表面積の変化をBET法により測定した。
それらのデータはFig. 6に示すように計算値とよく一致している。
彼らの115 μm直径の粒子に対するデータは、ネック成長データの場合と同様に計算値から大幅にずれている。



KingeryとBergは、粒子の縦列体における収縮、すなわち粒子間の距離の減少を光学顕微鏡により測定している。
彼らの収縮値は、Hwangのモデルからの計算した値と比べてずっと大きい。
この差異については、Hwangは、366倍の光学顕微鏡により1 μmのオーダーの長さの変化を測定することが難しいために起こったものとしている。
粒子列を用いて収縮データを得る代わりに、粉末集合体について、間接的に収縮データをとることもできる。
定量金属組織学的に得られた密度データを収縮値に変換することもできる。
しかしながら、Hwangが詳細に検討しているように、この間接的な収縮測定は、粉末集合体は焼結中に再配列するゆえに、不十分である。
集合体の密度変化は、個々の粒子間の距離の変化、すなわち収縮には直接結びつけることはできない。

Hwangは、燒結初期段階における幾何形状の変化についての計算と実測を比較した結果、拡散流動に基づくモデルが正当であったとしている。
これは、燒結における形態変化が拡散流動のみにより起こることを示すことにはならないことをここで断っておかなければならない。
他のプロセスにある役割を果たしていることを証明するときの難しさは、特に塑性変形の場合、これらのプロセスに対する解析がないことにある。


宗宮 重行・守吉 佑介 共編 「焼結-ケーススタディ」

お問い合わせ

特注サイズや形状も、1点から承ります。
お気軽にお問い合わせください。