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加工研究|セラミックス技術コラム

セラミックス技術コラム

加工研究

高強度材料として広範な利用が期待されている材料の一つにファインセラミックスがある。

ファインセラミックスは高硬度、低熱膨張率、低熱伝導率、高耐熱性、高耐食性、高縦弾性係数、高絶縁性など工業的に優れた特性をもつ材料であり、電気・電子機器、機械部品、自動車部品、そして医療用機械器具を始め幅広く利用されている。

ところが、ファインセラミックスは縦弾性係数が高いにも関わらず、引張強さに対する信頼性が求められる構造用主要部品としては現在あまり使用さていない。
それは、ファインセラミックスが脆性材料であり、微視亀裂等の存在に起因して引張または曲げに対する強度が低いからである。

さらに、加工の点から見るとファインセラミックスは高硬度、高脆性そして高耐熱性を有するため、高精度・高能率な加工は難しく、構造材料としてのより広範な利用の妨げになっている。

第一に、製造プロセスの中に構造材料としてのより広範な利用の妨げになる問題点が存在する。
すなわち、機械加工前の素材が元来持っている素材内部および素材表面の欠陥に起因する引張強さの信頼性の低下である。
それは、不純物の混入、粉体が凝集してできた気孔、そして焼結の温度制御の不良で生じた大きな粒子等の各種の欠陥による引張強さ信頼性の低下である。
次に、研削加工中に生つけ草、各種欠陥に起因する引張り強さ信頼性の低下である。

それは、微視亀裂、残留応力そして表面粗さ等に起因するもの等である。これらの欠陥のために、ファインセラミックス材料の引張強さに対する信頼性は工業的に未だ不十分である。
従って、ファインセラミックスの主要機械構造部品への適用のためには素材処理工程の問題解決と同時に、最終処理工程である研削加工における問題を解決することが必要になる。


第二に、ファインセラミックスの寸法精度に関する問題がある。
ファインセラミックスは、高硬度、高脆性そして高耐熱性を有する為、高精度・高能率な加工は難しい。

しかも、ファインセラミックスは高縦弾性係数と高耐摩耗性を兼ね備えた素材であるために、金属材料製品とは違って、製品を組み立てる際に機械的になじませることが殆どの不可能である。

したがって、金属材料と比較して2つの部材のはめあいのある製品を組み立てるためには、より寸法精度の高い研削加工が要求される。

そこで、ファインセラミックスのもつ優れた特性を活かしつつ、しかも脆性材料としての欠点を引き出さないような研削加工法、つまり、亀裂の少ない引張および曲げ強さの低下を極力抑えた寸法精度の高い研削加工方法について研究している。

すなわち、金属材料とは加工特性の異なるファインセラミックス材料を従来から用いられてき、属加工用の平面研削盤を使用して、特にファインセラミックスの強度を損なうと考えられる研削加工後の表面性状の向上を目標にして、加工精度・加工能率の問題を解明し、適切な加工条件を決定するための研究である。

アスザックの製造技術チームも、日々セラミックスに適した加工条件の研究を行っている。



参考文献;ファインセラミックス技術ハンドブック/日本学術振興会

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