破壊の確率論｜セラミックス技術コラム

セラミックスの破壊靱性は小さい。
そのため、欠陥に対して極めて敏感となり、強度のばらつきは大きくなる。
特に、静疲労や繰返し疲労のデータは大きなバラツキを示す。
このことから、強度の統計的な扱いは必須となる。

各種の統計分布（例えば、正規分布、対数正規分布、指数分布など）のなかでもワイブル分布は、脆性材料の 強度のばらつきを記述する関数として広く用いられており、2母数ワイブル分布においては、データのバラツキを 形状母数（ワイブル係数）で表し、データの代表値を尺度母数で表すこととなる。

セラミックスのような脆性材料の破壊強度は、潜在き裂の大きさやその分布・形状、試験片の寸法や応力分布に依存して、バラツキが大きくなるのがつねである。
そのため、強度データの統計処理は不可欠となる。

この種の破壊靱性のバラツキや寸法効果・応力分布効果は、最小値確率論により説明されており、ワイブルの分布関数は 特にセラミックス分野で広く用いられている。



参考文献；セラミックス材料強度学/コロナ社