セラミックスの硬度｜セラミックス技術コラム

広い意味での硬度とは「対象とする物体が他の物体によって変形されようとする 時に呈する抵抗の大小を示す尺度」である。
これは構成している原子間の結合力に大きく依存し、イオン結合や共有結合から なる高弾性率のセラミック材料は高い硬度を示す。

硬度にはいくつかの機械的・物理的諸性質が複合した形として含まれているので 理論的考察は難しい。
しかし硬度として測定される値は、一般的に弾性変形を取除いた 永久変形に対する抵抗として示され、延性に有する金属材料の硬度は塑性変形に対する 抵抗性だと考えられる。

一方、脆性材料であるセラミックスの硬度試験では、局所的に弾性変形、 塑性変形そして破壊が起こっているので、その硬度は塑性変形だけでなく、種々の機械的性質を 含んだ擬似的な塑性変形に対する抵抗性を反映している。



参考文献；ファインセラミックス技術ハンドブック/日本学術振興会