セラミックスの疲労強度｜セラミックス技術コラム

機械構造物は必然的に変動荷重を受ける為、セラミックスをその材料として使用するためには、疲労強度特性の把握が設計上不可欠である。

疲労という言葉は金属材料に対しては、変動荷重下における繰返し微小変形の蓄積による材料の損傷に対して用い、一定荷重下におけるクリープ等とは区別している。


一方、セラミックスに対しては一定荷重下での時間による材料の劣化現象を静疲労、変動荷重下での時間または繰返し数による劣化を繰返し疲労といい、両者を合わせて疲労という場合が多い。

また、一定負荷速度下でもセラミックスは劣化を起こし、これを動疲労という。


一般的に、金属では疲労寿命の多くは疲労亀裂の発生段階が占めるのに対し、セラミックスでは無数の微小な潜在欠陥を有している為、試験片形状、応力状態、試験環境により異なるが、その潜在欠陥からのき裂の進展段階が疲労強度の大部分を占める場合が多い。


セラミックスの疲労現象は従来、時間依存型（静疲労）とされてきたが、材料、試験条件によっては繰返し応力により強度劣化を起こし、繰返し応力の効果が顕著（繰返し疲労)であることが明らかにされてきている。


参考文献；ファインセラミックス技術ハンドブック/日本学術振興会