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セラミックスの破壊力学|セラミックス技術コラム

セラミックス技術コラム

破壊力学

セラミックスの強度特性は一般に製造過程で形成される潜在的な欠陥に支配される場合が多く、強度評価にあたってはそのような欠陥をき裂とみなした破壊力学的解析が不可欠である。


統計的解析

ファインセラミックスのような脆性材料は、塑性変形がほとんど生じず、応力緩和が起こり難い。
したがってその破壊は微視的欠陥(介在物、空孔、異常成長粒子、結晶粒界の異常、表面加工傷等)が原因となり発生し、その強度(静的強度、疲労強度等)はこれらの欠陥の寸法形状、位置の分布により決定される。
すなわち、強度はこれらの欠陥分析に基づく統計確率論的な解析手法により取り扱われる ことも必要である。

一般に強度や寿命の確率論的分析関数としては、正規分布、対数正規分布、ワイブル分布等が採用されているが、ファインセラミックスに対しては主としてワイブル分布が用いられている。


ワイブル分布

ある部材の全体の強度は、その部材のある部分中のある部分の最低の強度によって決まる。
そのモデルとして部材中の各部分を鎖の一つの環とみなし、その直列連結で部材全体を表すと、これらの環のいずれかの破断が部材全体の破断となる。この考え方を最弱リンク説という。

部材の欠陥(個数N)を一つの環とみなし、それが応力σ以下で破壊する確率(破壊の確率分布関数)をF(σ)とし、部材がσ以下で破壊する確率をP(σ)とすると、F(σ)とすると、F(σ)とP(σ)との関係は破壊しない確率を等値として次式になる。

1-P(σ)={1-F(σ)}^N

ここでワイブル氏により物体の強度を統計的に記述するためワイブル分布を提案し、セラミックスの破壊力学的解析に使われている。

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