β-SiCとα-SiCの違い|セラミックス技術コラム
セラミックス技術コラム
β-SiCとα-SiCの違い
SiCは閃亜鉛鉱型(せんあえんこうがた)構造(3Cと表示される)を持つβ-SiCと、閃亜鉛鉱型とこれと同形質であるウルツ鉱型の構造の組み合わせで示されるα-SiCがあります。
α-SiCは主に研磨材として、工業的にはアチソン(Acheson)法で最も多く製造されています。
アチソン法で製造されるSiCは通常、粒径が粗く、細かいものでも平均約5μm(JIS3000)であり、焼結用原料としては、さらに超微粉化工程が必要になります。
β-SiCは主に焼結用として製造されており、固相反応、気相反応等による合成法が開発されています。
アチソン法によっても反応の低温域ではβ-SiCが合成されます。
気相反応法はシランガスやメタンガスの反応や、ポリカルボシランなどの熱分解によって合成する方法で、0.1μm以下の超微粉末が高純度で得られます。
約2100℃を超える温度で焼結するとα-SiCへの相転移により異常粒成長が生じます。
当社はα-SiCを使っております。
β-SiCと比べ、原料価格が安く、その分コストを抑えることが出来ます。
α-SiCの原料価格はβの10分の1~100分の1です。
高純度αSiCエッチング面
代表的なSiC多形結晶(3Cおよび6H-type)の主な物性
β-SiC(3C-type) | α-SiC(6H-type) | |
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結晶系 | 立方晶 | 六方晶 |
格子定数(Å) | a=4.358 | a=3.082 c=15.117 |
禁制帯幅(eV) | 2.2 | 2.86 |
比誘電率(ε) | 9.72 | 9.66(⊥) 10.03(l l) |
熱伝導率(W/cmK) | 0.255(200℃) | 0.410(20℃) |
電子移動度(cm2/V・S) | >1000 | 460 |
飽和電子速度(cm/S) | 2.0×107 |
参考文献;内田老鶴圃 新素材シリーズ 炭化ケイ素セラミックス 基礎・応用・製品紹介 宗宮重行・猪股吉三 編
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