物性測定の話し3~熱的特性~|セラミックス技術コラム
セラミックス技術コラム
物性測定の話し3
~熱的特性~
物性測定の3つ目の話として熱的特性があります。
セラミックスの熱的特性は熱膨張係数、熱伝導率、比熱の3つから判断します。
物質に熱を与えられると気体・液体の場合は分子の運動が活発になり体積が大きくなります。
固体の場合は分子間距離が長くなります。
この事を熱膨張と呼びます。
同時に、気体・液体の場合は分子が自由に移動できるので対流によって熱が移動します。
固体の場合は原子の振動を通じて熱が伝導します。この事を熱伝導と呼びます。
物質に熱を与えたときに、1g当たりで1℃上げる必要な熱量を比熱として示します。
一般的に比熱が小さいほど温まりやすく、冷めやすいといった性質があります。
熱膨張の有名な話として、電車のレールがあります。
レールは常に外気に触れているので夏場は長くなり、冬場は縮むのも熱膨張が関係しています。
レールのつなぎめに空間を設けて伸縮しても問題ないように工夫されています。
熱伝導と比熱の話として、フライパンと土鍋がイメージしやすいと思います。
フライパンは熱が伝わりやすいので、すぐに温まります。
一方、土鍋は比熱が大きく温まりにくいですが、冷めにくいので保温効果があります。
一般的に金属に比べてセラミックスは温度変化による寸法変化が小さくなります。
弊社素材で最も熱膨張が小さいのはアルシーマとなります。
物性値は2.1×10-6/℃、1mの物で1℃あたり2.1μmの膨張となります。
アルシーマは熱伝導率も小さいので、温度変化による寸法変形に困っている方や、
断熱したい箇所がある方がいらっしゃいましたら、アルシーマの使用を検討してみてはいかがでしょうか。
※弊社製品と金属・樹脂の比較が「一般素材との物性比較」にあります。
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