タングレス・インサート｜セラミックス技術コラム

現在、幅広い製品にネジの補強材としてインサートが使用されています。

セラミックス製品も例外ではなく、インサートを使用する場面が多くなって参りました。

ただ、従来のインサートは「タング（突き出た先端の意味）」という部分を折る必要があり、これがうまくできないとインサートが伸びてしまい、使い物にならなくなったり、うまく行っても タングを折る・折った後タングを探し取り出すのに時間が掛かっていました。

また挿入時、タングを専用工具に掛け挿入していくわけですが、この時、下ネジに対し縮む方向に力が働くため、「山飛び」を起こさないよう、慎重に作業をしなければならず、ここにも時間を要していました。

そこで、登場したのが【タングレス・インサート】です。

タングレス・インサートの良い所は下記の通りです。

　1. タングが無いため、タング折りが不要
　2. タング折りが不要なため、探し取り出す作業が不要
　3. 仮に抜き取る際も、専用工具で簡単に抜き取れるため、製品にダメージを与える心配がない
　4. 作業時間が大幅に短縮できる

使用される所も増え、ジャンボ機では１台あたりに約３０万個使用されていると言われており、作業効率が高まったほか、折ったタングを回収できずに発生していた故障の防止に役立ったり、また、新幹線や自動車、航空宇宙産業にも幅広く採用されています。

以上の事からも、導入を前向きに検討して損のないアイテムだと思います。 　

実際、従来のインサートからタングレス・インサートに変更して頂いたお取引先様もございます。

セラミックス製品は元より、金属製品でもタングレス・インサートへの変更をご検討なされてはいかがでしょうか？

サイズはメートル並目ネジでＭ２．５～Ｍ１２、ユニファイ並目ネジでＵ２－５６～Ｕ１/４－２０、ユニファイ細目ネジでＵ１０－３２などがあります。