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液相存在下の焼結における緻密化I. 理論~再配列プロセス~ |セラミックス技術コラム

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液相存在下の焼結における緻密化I. 理論~再配列プロセス~

融解が起き液相がまず生成すると、毛管圧力により固体粒子が再配列して、最大のパッキングと、それによる最小の気孔表面がつくられる傾向が生じる。これは初期には粒子が互いに滑ることにより起こる。やがて架橋が生じるが、これは接触点の少量の物質を融解することにより破壊される。この破壊が生じると、隣接粒子間の大規模な再配列が起き、高密度を得るのに必要とする最終的な固体粒子の配列が生じる。しかしながら、粒子の球形のままであるなら、多量の液相を含む場合以外はこのプロセスによっては完全な緻密化は起こらない。この再配列プロセスの初期段階は粘性流動プロセスである。次いで、ある有効降伏点をもつ塑性流動となり、再配列がさらに進行することに対する抵抗が生じる。プロセスのこの段階では、毛管の気孔サイズが減少するが、大幅には変化しないから、緻密化速度はほぼ粘性流動によるものと期待でき、次式に従う。


ここで、プロセス中には気孔サイズは減少し駆動力が増加するが、同時に再配列の抵抗は初期の純粋な粘性流動にくらべて増加するから、指数1+yは1より若干大きい。

球形粒子の場合には再配列プロセスにより達成可能な完全緻密化の割合は、存在する液相の体積分率に依存する。いま溶融する物質を一部含む初めの粒子のパッキングが、その最も一般的な値である40体積パーセントの気孔をもち、また溶解で生じた液相によって固体粒子が再配列し最終成形体の65体積パーセントを占めると仮定すると、各々の液相体積分率についての残留気孔率が計算でき、図3に示すように応用できる。液相が35体積パーセントの場合には、再配列プロセス内で完全緻密化が達成できる。より少量の液体では、可能な体積の減少割合は若干少ない。35体積パーセント以下の液体含有量において完全緻密化を達成するには、さらに別の焼結プロセスが起きることが必要である。



宗宮 重行・守吉 佑介 共編 「焼結-ケーススタディ」

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