E. 焼結機構の実験 |セラミックス技術コラム
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E. 焼結機構の実験
図1で示したような球体間のネックの成長を観察するために、通常の鉱物顕微鏡を着装した高温微小加熱炉がつくられた。それは二つの溝を有する接点で取り付けられた電気加熱ヒーターより成っている(図3)。一つの接点はアースされ、もう一方はコバールシールで接続されている。パワーは、定電圧調節器バリアック、トランスから供給されている。炉は、拡散ポンプに接続されており、タングステンフィラメントにより真空、ヘリウム、水素の雰囲気で2200 ℃まで使用可能である。白金フィラメントは、酸化状態で1400 ℃まで使用可能である。測度は、フィラメント上の試料融点で補正されたパイロメーターで測定される。
顕微鏡は、加熱リボンに焦点をあわせるように着装されていて、写真撮影のカメラやサイズを直接測定するマイクロメーターと共に使用される。倍率は、10 倍から360 倍に変えられる。分解能は、ダウケミカル製のラテクスの小球を観察してチェックされた。得られた分解能は、0.5 ミクロン以下である。それによって、球サイズとx/rの比が決定された。図4に示すように、信頼性の高い観察ができる。
種々の物質のほぼ完全な球が、アーク溶融でつくられている。塩化ナトリウム、銅、アルミナ、ジルコニア、その他の粉体が、標準テーラー篩で分級される。そして所望の粒子サイズの試料がアーク電極をつつむチャンバーの蓋に通したカーボンのチューブから3相のカーボンアークの中央に注入される(図5)。アークを囲むチャンバーは、アークのまわりの対流を減少するために重要である。中心あるいは還元性の雰囲気を必要とする場合にヘリウムまたは水素をゆっくりと流して、溶融チャンバーに通すことができる。物質はアークを通過した後に集められ、真球を分け出すため、ガラスシリンダのまわりや、斜面をころがして判定した。
図6に示すような球は、微小炉のヒーター上に接触してのせられ、急速に加熱された。小さな熱量のため、炉は数秒で焼結温度へ到達した。
本研究で行われた材料は、ソーダ石灰ガラス(Minnesota Mining & Manufacturing Company , “Sta-brite” beads)、塩化ナトリウム(Mallinckrodt A.R.)、高純度の銅、Norton Company 38 X ロットの酸化アルミニウム(アルミナ)、 Norton Company安定化ジルコニア(4 CaO、4 HfO2, 1 Al2O3)、高純度の酸化ジルコニア、仮焼した水酸化アルミニウム(Baker’s A.R.)である。
宗宮 重行・守吉 佑介 共編 「焼結-ケーススタディ」
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